「家を見守る」という仕事を通じて、家族の物語に触れる
住まい管理という仕事を通して見えてくる、ご家族それぞれの物語。代表の現場体験から、印象に残ったエピソードを紹介します。
すまいケアの仕事をしていると、お客様の家を訪問するたびに、その家族の物語に触れます。中には、家の写真を見たお父さまが、施設のベッドの上で目を細められる瞬間があったり、ご兄弟同士で「次の盆にどう動くか」を写真をきっかけに話し合われたり ──。
あるご家族の話
東京在住の女性Mさん(50代)から「父が施設に入って、福岡の実家がそのままになっています」とご相談いただいたのが、ある秋のことでした。Mさんは「お父様にも家の様子を見せたい」とリクエストされ、私たちは毎月15枚の写真とともに、季節の小さな気付き ── 「お庭の桜のつぼみが膨らみ始めています」「玄関先の椿に新芽が出ています」── を添えてレポートをお届けしてきました。
ある日、Mさんから連絡をいただきました。「父が、写真を見て笑顔になりました。あの家、まだちゃんとあるんやな、と」。Mさんのお父様は、写真の中の家を、まるで今日の自分が見ているように受け止められたそうです。
家は「物」ではない
家を見守る仕事を始めて気づいたのは、多くのお客様にとって、家は「物」ではなく「家族の時間そのもの」だということ。だから、私たちの仕事は「物件を点検する」ことではなく、「ご家族の時間を保つ」ことなのだと、現場の中で確信が深まっていきました。
レポートに込める「気付き」
すまいケアの月次レポートでは、義務的な項目だけでなく、必ず「季節の小さな気付き」を一行添えるようにしています。庭の花、近所の音、玄関先の風景 ── 些細なことですが、それを通じて家の「生きた感じ」が伝わると、お客様から繰り返し言っていただいています。
住まい管理という仕事は、技術と機械化が進む一方で、「現場の人間が、五感で受け取り、五感で伝える」ことに尽きると私は思っています。すまいケアは、そうした仕事を、これからも丁寧に続けていきます。